代表的都市の一般的な住宅の坪単価を今の為替で比較

豆知識

総務省統計局の平成30年住宅・土地統計調査によると、日本国内の総住宅数はおよそ6,242万戸と言われております。今からおよそ60年前の昭和38年の同統計では、およそ2,109万戸であったため、現在のおよそ3分の1程度でした。都心の家もあれば地方の家もあるため、場所や家の大きさ、価格などは異なっていますが、今回は日本だけではなく、世界各国の代表的な都市の一般的な住宅について検討してみましょう。 

日本の住宅状況

まずは日本の住宅状況から見ていきましょう。一言に日本の住宅状況と言ってもその細部は多岐に渡ります。参考までに国土交通省の「住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準および最低居住面積水準」によれば、戸建て住宅における快適な生活を過ごすための広さの目安が開示されております。 

・3人家族の場合:100㎡(=約30.25坪) 

・4人家族の場合:125㎡(=37.81坪)

では実際に東京都の戸建市況について見ていきましょう。平成31年度地価公示では市区町村別の土地の平均価格を見ることができます。 

・都内23区で最も高いのは千代田区でおよそ887万円/坪 

・都内23区で最も低いのは足立区98万円/坪 

・都内23区の平均は254万円/坪 

さらに建物価格を加算する必要があります。これは注文住宅か建売かによって価格差が生じます。注文住宅でこだわりを色濃く反映すればするほど坪単価は高くなります。大手ハウスメーカーが広く手がけるような建売住宅の場合はおよそ50-70万円/坪程度となりますので、土地価格も考慮すれば、300-330万円/坪が概算で求めることが可能です。 

海外の住宅状況

ここからは日本以外の住宅について検討していきましょう。まずはアメリカの例を取り上げます。アメリカの場合には、日本の不動産市場とは真逆で新築よりも中古市場が盛んであると言われています。中古住宅のリノベーション等を活発に行い、住宅を用いた資産設計を行うという点に特徴があります。物件価格に関しては、立地や学区によって大きく影響を与えることはいうまでもありません。 

※1 sqft=0.0281032坪で計算 

カリフォルニア州ロサンゼルスの場合、2020年1月時点で不動産価格相場は$723,783と公表されております。アメリカにはzillowという不動産検索サイトが存在し、そこでは数多くの不動産指標を確認することができます。この地域における坪単価を求めてみると、$551/sqftという価格より$19,606/坪、すなわち約207万円/坪(※1$=105.80円換算)と求めることができます。

ニューヨーク州の一等地であるマンハッタンでは不動産価格相場は$1,013,116、$1,371/sqftであり、坪単価では516万円/坪という数値が出てきます。東京の価格と比較してもおよそ1.6倍程度高いということが分かります。マンハッタンでは新しく建物を建てられないことが大きな要因として考えられます。 

その他の事例で香港を見てみましょう。CBREの調査では香港の平均住宅価格は世界一として日本円で約1億3,800万円と公表されました。平均面積が16.609坪と言われており、この場合の坪単価はおよそ831万円となります。香港の坪単価は東京と比較するとおよそ2.5倍の水準であり、香港には人口が密集しているが、住居用の土地が少ないことが価格に反映されていることがわかります。 

まとめ

東京、ロサンゼルス、ニューヨーク、香港の3国・4都市に関する住宅の平均坪単価をみてきました。国の中でも不動産価格の高い場所/低い場所と違いは様々ありますが、投資判断の際にはこのような観点から不動産を分析してみるのも良いかもしれません。実態に即したデータに迫ることができるので、そこから更に精緻な分析を行い、投資判断の一助となると思います。 

<参考> 

https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_youyaku.pdf

https://forbesjapan.com/articles/detail/26094

https://www.zillow.com/los-angeles-ca/home-values/

https://www.zillow.com/manhattan-ny/home-values/

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