イギリス基礎情報

変わりゆくイギリス、ブレグジットの影響とは

かつては産業革命のもとで世界の中心であったイギリスは2016年6月から3年半経った現在でもなお、硬直状態のブレグジットが問題となっています。日系企業への主な影響としては、新たな関税・通関コストの負荷が挙げられているため拠点を移している日系企業が多く、今後の動きに注意が必要です。一方で、投資家の間ではこのタイミングをチャンスと取る動きもあります。その理由としては、

①ポンド安
投資をする上で、ブレグジットによってイギリスポンドが値下がりしていることは、外国の投資家にとっては、逆にポジティブ要因となります。

②テック・シティ構想
2010年11月には「テック・シティ構想」を立ち上げ、官民を上げてフィンテック(IT金融事業)をバックアップしたことにより、ロンドンの東部地域がITベンチャーの集積地として成長。長年、欧州の金融センターとして機能してきたロンドンの強みにITを掛け合わせることによって、フィンテックがイギリス経済を牽引する重要な産業へと成長を遂げました。

③法人税減税
優良企業の国外流出を防ぐために、法人税は、2015年4月より20%に下げられ、2020年までに17%という、シンガポールと同水準の税率。

1. 首都・主要都市

イギリスの首都は言わずとも知れたロンドンです。ロンドンにははっきりとした範囲が定められておらず、ロンドンを統括している人も、最近までいなかったことが特徴です。現在ロンドンと呼ばれているところは、世界の金融街として知られているシティ・オブ・ロンドンと、国会議事堂のあるシティ・オブ・ウェストミンスターの2つのシティが含まれており、以前はシティではなかった周辺の広大な範囲に及んでいます。

人口別の主要都市としては、下記の通りです。

他都市と比較するとロンドンが圧倒的に人口が多いことが分かります。一都市集中型である大きな要因としては、ロンドンの東部地域がITベンチャーの集積地として成長していることやロンドンが世界的な金融都市であることが挙げられます。

BBCによるとロンドン・近郊における地域ごとの人口成長率は以下の通りです。
シティー・オブ・ロンドンはロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれるなど、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能しています。居住する人口が少ない地域であるものの、金融業を中心に約31万6,700人の昼間人口がいるため、成長率でみると最も比率が高い地域となっています。

2. 人口

総務省統計局の「世界の統計2019」によると、2018年のイギリスの人口は6660万人です。15歳未満の人口の比率は減少傾向にあり、65歳以上の人口の比率は増加傾向にあります。このことから、主な労働力が足りなくなっていく一方で、人口自体は増えているため、高齢層や移民の増加が予想されます。

世界銀行の統計データによると、1960年 - 2017年のイギリスの人口増加率は、以下の通りです。

3. 人口分布率

イギリスの人口分布図(1960年)

イギリスの人口分布図(1990年)

イギリスの人口分布図(2020年)

イギリスの人口分布図(2050年)

1960年代のイギリスの人口ピラミッドは若い人口の流入が多い都市に見られる型です。その後は2020年~2050年にかけて出生率に大きな変化はなく、平均中位年層が高齢化する事が予想されるため、上記のような形になることが予想されます。

4. 宗教

歴史的、文化的にイギリスはキリスト教の国です。
しかし、2011年の国勢調査では、キリスト教信者が59.5%、次に多かった回答は無宗教の25.7%でした。キリスト教は現在も主要な宗教ではありますが、多くの人々は学んだり信じてはいなくなっていることが特徴です。

5. 主要産業

・GDP
総務省統計局の「世界の統計2019」によると2016年におけるイギリスの国内総生産(名目GDP)は2兆6478億ドル(日本・4兆8,985億ドル)で、世界5位の経済規模を誇っています。
また、下図は1人あたりのGDP【USD】を表しています。
イギリスの特徴としては、サービス部門がGDPの約78%を占めており、ロンドンが世界最大の金融センターとしていて周知のように金融サービス業界は特に基幹産業です。

・主要産業
自動車、航空機、電気機器、エレクトロニクス、化学、石油、ガス、金融

外務省のデータによると主要貿易品目(2018年)は以下の通りです。
(1)輸出:自動車,医薬品及び医療用品,発動機,原油,航空機等
(2)輸入:自動車,医療用品及び医薬品,精製油,発動機,衣類等
※主要貿易相手国:ドイツ,米国,オランダ,中国,フランス
※英国の貿易総額に占める物品の割合は64.7%であるのに対し,サービスの占める割合は35.3%

CENTRAL INTELLIGENCE AGENCYによるとイギリスは大量の石炭・天然ガス・原油を埋蔵しており、埋蔵量は2015年に29億バレルと推定されています。

5. まとめ

イギリスは現在ブレグジットの関係で歴史的に見ても重要な局面を迎えていることがわかります。決断が下されないことへのフラストレーションがたまる一方ですが、影響力が大きい国であるため、今後の動きには細心の注意を払う必要がありそうです。グローバル不動産ジャーナルでも随時情報を発信させて頂きますのでお見逃しのないように!

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