為替との付き合い方

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「今日のドル円の為替レートは…」といったニュースに触れる機会も多いと思います。為替レートというものは時々刻々と変動しています。ところで「為替とは何でしょうか?」と質問を投げかけられたときに、答えられる方はどのくらいいるでしょう。何気なく耳にすることが多い言葉も、うまく言葉で説明できないものが多いです。本記事では為替に着目し、その上手な付き合い方について考えていきましょう。

為替とは

為替とは端的に「現金を用いずに資金の移動を実現すること」と表現することが可能です。遠隔地へ資金を支払う際、現金を持ったまま移動する場合では、その移動中に現金が奪われてしまったり落としてしまったりと様々なリスクが生じてしまいます。そこで、為替手形という支払依頼書を発行し、それを両替商に提示することで資金を受け取ることができるという仕組みが日本の江戸時代には構築されていました。

時が経つにつれ、海外との取引が盛んに行われるようになります。日本の通貨単位は円を用いていますが、アメリカはドル、イギリスはポンド、フランスではユーロなど、国が違えば利用している通貨も異なります。外国との国境を越えた異なる通貨間の取引を外国為替取引と言い、決済に用いる決済通貨を決めた際に自国の通貨でない場合、通貨の交換が必要となります。交換する場所が外国為替市場交換するときの比率が為替レートです。24時間休まずに動き続ける為替レートは、銀行間のインターバンク市場と、銀行と一般の企業や個人間の対顧客市場とありますが、一般的にニュースで取り上げられている為替レートはインターバンク市場のレートです。一般の企業や個人は、その為替レートに、銀行の手数料が加わった後のレートで取引をしますが、このレートは銀行や証券会社など取引主体毎に異なり、どこどこの銀行は為替レートが有利だとか、FX会社を通じて両替するとレートが良いだという議論に繋がります。

「本日の米ドルは1$=109.08円、先日に比べ30銭の円安になっております」などと耳にすることがありますが、これは、先日は1$=108.78円で取引ができていたにも関わらず円の価値が30銭分安くなったことを表し、0.3%程度、日本から海外の商品を米ドルで購入する場合に高くなってしまったと言えます。一方で、米ドルを持っている外国の人からは、日本円で売られている商品が安くなったということです。

為替との上手な付き合い方

通貨が異なる取引を行うと、「為替リスク」の話が出てきます。このリスクは先述したレートが変動することに起因するものです。先程の例では30銭の変動でしたが、これが50銭、1円の変動だったらどうなるでしょう?米ドルと日本円の為替レート変動幅では、年間で5%から10%程度上下に振れることもあります。つまり、いま1億円相当の海外の不動産が、米ドルと日本円と同程度の変動幅のある通貨で取引されるならば、1年後に1億2千万円になっている、又は、8千万円になっているという為替の影響を受けた大きな値動きの可能性が存在します。プラスに働けば良いのですが、マイナスに働いた場合の影響力は、本来の目的が不動産投資であっても、その投資効果を打ち消すだけのインパクトを持ちます。この為替レートの変動が投資にマイナスの影響を与える可能性が、為替リスクです。

私たちのような一般的な投資家はどのようにして為替と付き合っていくのが良いのでしょうか?日本円だけでの保有ではインフレに伴い、資産が目減りしてしまうとメディアなどで騒がれ、海外資産の保有も検討すべきといったニュースや書籍なども存在しています。これに対して、私たちは「時間を味方につけた投資・資産形成」を行うことが大事だと考えます。中長期で為替レートの値動きを見れば、上がる下がるを繰り返す値動きであって一辺倒な値動きではありません。為替の流れを読み取ったり、正確に的中させたりすることはなかなか困難なことです。短期の為替レートでの損得で一喜一憂しないよう、中長期で向き合える通貨を選び、投資とも中長期で向き合うことが大切です。

まとめ

ここまで為替の概要から為替との上手な付き合い方について見てきました。海外で資産を保有する際、為替の変動リスクは避けて通ることはできません。時間を味方につけ、流通量の多い安定した、日本円と比べて相対的に強くなると期待できる通貨で、海外資産を事業や投資のポートフォリオに組み入れていくことが重要だと考えられます。

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